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ブラック企業大賞2017

 

ブラック企業大賞2017、ノミネート発表 「NHK」「ヤマト運輸」「パナソニック」など9社

2016年は「電通」が大賞だった。

 
パワハラや残業代未払いなど、法令違反の企業について伝え、安心して働ける環境づくりをめざす「ブラック企業大賞」。11月27日、2017年度のノミネート企業が発表された。

名前があがったのは「日本放送協会(NHK)」、「ヤマト運輸」、「パナソニック」など9社。大賞は、ネットでの一般投票(11月27日17時〜12月22日17時)を経て、12月23日の授賞式で発表される。

なお、実行委では、「労働法やその他の法令に抵触し、またはその可能性があるグレーゾーンな条件での労働を意図的・恣意的に従業員に強いている企業」と、「パワハラなどの暴力的強制を常套手段として従業員に強いる体質を持つ企業や法人」を、「ブラック企業」と定義している。

 

ノミネートされたのは、裁判や行政処分などで問題があると明らかになった企業だという。

今年の問題の特徴は?

実行委員で都留文科大・非常勤講師の河添誠さんは、記者会見で「名指しで批判されないまま、企業が人を殺し続けているのが、この日本の現状だということです」と、ブラック企業大賞として企業名を挙げる意義について語った。

また、実行委員の佐々木亮弁護士は「政府が『働き方改革』を打ち出したこともあり、過労死・過労自殺の記者会見や報道が多かった」と話した。

 

なお例年、ノミネートされた企業には授賞式への招待状を送っているが、いまのところ出席した企業はないという。なお、大賞を受賞すると、副賞として「労働六法」が贈呈されるという。

2017年度にノミネートされた企業は以下の9社。

・ゼリア新薬工業株式会社

2013年5月、新人研修中に男性社員(22)が自殺し、2015年に労災認定を受けた。研修中に「強い心理的負荷」を受け、精神疾患を発症した。

・株式会社いなげや

2014年6月、スーパーの店舗チーフだった社員が倒れ、亡くなった。2016年6月に労災認定された。代理人によると、時間外労働は96時間におよび、サービス残業も行われていたという。

 

・パナソニック株式会社

2016年6月にパナソニックデバイスソリューション事業部の富山工場に勤務する40代男性社員が自殺。2017年2月に過労自殺と認定された。2016年5月の残業時間は100時間越えだったという。

・新潟市民病院

2016年1月、女性研修医(当時37)が自殺。月251時間も残業。2017年5月に過労自殺として労災認定。

・日本放送協会(NHK)

2013年7月、当時31歳だった女性記者がうっ血性心不全で死亡。2014年に過労が原因として労災認定された。時間外労働は月159時間に及んだという。

 

・株式会社引越社・株式会社引越社関東・株式会社引越社関西(アリさんマークの引越社)

営業職だった男性社員をシュレッダー係に配転したり、懲戒解雇を言い渡し、「罪状」として顔写真を張り出すなどした。都労委は、これらは労組に入ったことをきっかけにしたもので、会社の行為は「不当労働行為」と認定された。

・大成建設株式会社・三信建設工業株式会社

「新国立競技場」の工事で、三信建設工業の新人男性社員(当時23)が2017年3月に自殺し、10月に労災認定された。自殺前の時間外労働は190時間。元請けの大成建設も、行政指導された。

・大和ハウス工業株式会社

埼玉西支社の営業職だった20代男性に違法な時間外労働があったとして、2017年6月に労基署から是正勧告を受けた。2015年5月には109時間の時間外労働をしており、2016年5月に退職を余儀なくされた。

・ヤマト運輸株式会社

2016年12月、神奈川平河町支店のセールスドライバーへの残業代未払いで是正勧告を受けた。2017年5月にはパート従業員の勤務時間改ざんと賃金未払いがあったとして、西宮支店が是正勧告を受けた。また、17年9月には博多北支店のセールスドライバーに月102時間の違法残業をさせていたとして、法人と幹部社員が労働基準法違反の疑いで書類送検されている。

発表は今年で6回目。2016年度は11社がノミネートされ、広告代理店の「電通」が大賞に選ばれた。

ハフポスト日本版

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